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仮面の告白~仮面浪人で東大合格~

某国公立大学から仮面浪人して東大に合格した著者がその経験を語るブログです。

【東大受験】現役時の手配⑦

東大受験終了後~

 

試験翌日は当然のごとく抜け殻状態になっており、勉強は全くしなかった。たまっていた大量の録画番組を見て一日を過ごした。その翌日からは前期以外の過去問も解き始めた。本命ではない大学の勉強など、全くやる気が起きなかったが。数学、化学で満点を取ることはさすがに難しいが、合格点+200点くらいなら取れそうだと過去のデータを見て思う。こうなったら首席合格を目指そう、そう思った。卒業までに過去問を五年分終わらせた。そして、卒業式、同じクラスの東大志望者の出来が気になっていたが、彼も難しかったと言っていたため、少し安心した。ただ、あまり深くは掘り下げなかった。合格発表前に卒業式があって良かったと心から思った。残りの試験まではまだ時間があり、常に東大のことで頭がいっぱいだった。日々、空想自己採点を繰り返していた。答えを見るのが怖いため、空想で自己採点をしていたのだ。数時間おきに毎日、夢でまで採点をしていた。何度採点したって結果は変わらないのだが。希望を持つため少し甘めに採点していたが、それでも予想最低点すれすれであった。このあたりは残りの試験のことなど考えられず、ひたすら空想自己採点を繰り返していた。この時の精神は異常だった。ただ、これ以上に精神がおかしくなるとは全く予想していなかった。そして悪夢の日はやってきた。試験当日。予定では、余裕で合格最低点を超え、浪人を避けられる状況をつくっておくはずだった。ただ、現実はそうはいかなかった。まずは英語、例年より設問数が増えたり、さらに記号問題の選択肢の英文も長くなっており、時間的にかなり厳しかった。英作文は1,2分で作るなど、記述解答部分もかなり適当だった。ただ、この段階ではまだそこまで危機感を持っていなかった。数学と化学があったからだ。書き忘れていたが、東大のようなトイレ事件はなく、写真照合も緩い感じで東大で感じた緊張感はなかった。ただ、個人的に感じる、これに落ちたら洒落にならないという重圧は大きかった。さあ、数学の問題用紙が配られた。なんと、問題用紙が透けて、問題の一部が見えるではないか。問題が始まるまでの10分間、方針を考えることができた。そして、見る限り、全部解けそうだ。これはいけると思った。そして時間となった。一問目、二球の共通部分を求める問題。典型問題だが、重圧からか、手が震え、文字が上手く書けない。頭が真っ白になるのと同じような感覚だった。手の震えを抑えながらも問題を解いていたが、2変数関数であったため、その2変数を取り違え、かなりの時間をロスしてしまった。最終的にそのミスには気付いたものの、その後の積分計算が面倒すぎて結局(1)すら綺麗な答えは出せなかった。二問目は複素数。これまた典型問題であり、この問題は15分ほどで完答することができた。三問目は確率。これは!?東大で自分ができなかったやつの類題ではないか。ここで解答を確認しなかったことを後悔する。だがやるしかないので(1)からやる。(1)は基本だった。(2)になり、急に一般のnが消え、題意が全く把握できなかった。詰んだ。一完二半((1)のみ)という状態。どんなに良く見積もっても半分しかない。やばい。ただ、まだ化学がある。化学で8割取れば全然大丈夫だと自分に言い聞かせた。そして休み時間には何度も近年の合格最低点を見て心を落ち着かせていた。そして、最終科目、化学が始まった。例年通り大問8問構成。80分のため、時間的にはきつい、ただ、問題は標準的である。大問1,2は順調だった。予定より早く終了した。ただ、3(1)から詰まった。やばい。しかも(1)が解けないと以降ほとんど解けないパターン。すぐに4に移った。しかし、ここでまさかの四量体。慣れていなかったため、全ての答えに自信がなかった。そして、有機分野の56。ただ、これがどちらもスムーズに解けない。東大のときも含め、結局構造決定がまともに一問も解けていない。幸い、78は簡単であったため、そこはスムーズに解けた。ただ、3~6(半分)がスムーズに解けない。やばい。8割は欲しいのにこれでは6割くらいしかない。そして、結局ひらめくことはないまま、試験は終了した。帰り道から、東大に代わり今回の試験の空想自己採点が合格発表までひたすら続くこととなった。家に着くまではそうはいっても最低点は超えただろうと思っていた。試験を終えた直後というものは楽観視しやすいみたいだ。ただ、家に帰ってからは地獄だった。何度も空想自己採点をしている内にもしかしたら最低点は危ういのではないかという境地に達した。そしてそこに達してからは完全に精神が崩壊していた。何をする気力も起きず、電源の付いていない真っ暗なテレビを見つめ続けたり、ぐるぐると同じ場所を歩き続けていた。しかし、合格発表まではまだまだ時間がある。こんな状態が二週間以上続くと思うとぞっとした。東大の空想自己採点の比にならないくらいの空想自己採点を繰り返した。500回くらいしたかもしれない。ただ、10日の東大合格発表で東大に受かっていれば全ては終わる。それを信じることにした。他ごとをして気を紛らわそうとしていたが、ほとんど命がかかっていると同じくらいの状態であったため、前回の試験前の精神状態とは比べ物にならなかった。そして、合格発表当日、これで落ちると後がなくなるという恐怖と共に恐る恐る番号を確認した。落ちた可能性が高いとはいえ、怖くてなかなか番号を確認することはできない。40分ほどしぶって遂に見た。……番号はなかった。とてもあっけなかった。自分の番号が飛ばされていたことは思っていたよりもつらかった。そして後がないことが決定した。一時的に音信不通状態になった。が、最低点やTwitterの勉強界隈はどうだったのかということは気になったため、そこは見ることにした。最低点は328点。思っていたよりも高かった。やはり数学の易化が理科の難化を打ち消してしまったようだ。それと同時にTwitter浪人界隈トップクラスの人が落ちたと知った。それを見て少し安心した。仲間はいる、そう思った。が、それほど東大は恐ろしい場所だとも思った。模試で理一10番台を取っても落ちる、それが東大だ。運がなければ努力しても受からないのである。非常につらいことだが。だが、今の自分にはそれ以上に残った試験の合否のことが頭から離れなかった。そして合格発表までの地獄の10日間が始まる。大学も決まっていないのに大学の準備をしなければならない。そしてそれで気を紛らわさなければならない。友人と遊んだりして気を紛らわせた。クラス旅行には行かなくて良かったと心から思った。そんな感じで10日間の内残り2日間くらいまではもちろん精神に闇を抱えてはいたが、まだ、ぎりぎり大丈夫ではあった。しかし前日、当日の午前はやばかった。この10日間、毎日寝る前にそのまま永眠したいと本気で思っていた。もう起きて朝を迎えたくない、そう思うくらい精神は崩壊していた。何度も書くが、東大受験終了から約一か月間、毎日死にたいと思うくらい精神が病んでいた。

そして発表の時間。もちろんすぐには見ることはできなかった。三十分くらいしぶって遂に見た。番号はあった。めちゃめちゃ喜んだ。一か月の監禁生活からようやく解放された喜びは計り知れないものであった。これにて本当に自分の長かった受験生活が終了した。最後に、今回の自分の経験を通じて本当に伝えたいことを書いておく。

勉強をすればするほど(した人ほど)高みを目指せば目指すほど(した人ほど)、つらいことは増える。(経験が多くなる)

これがラストメッセージです。ただ、死ぬ気で後悔なく取り組めばそのつらさは経験となって自分の一生の財産になると思います。これから受験生となる皆さん、ぜひ、後悔のない勉強を。