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仮面の告白~仮面浪人で東大合格~

某国公立大学から仮面浪人して東大に合格した著者がその経験を語るブログです。

本当に必要な物理参考書

今の時代ネットで検索すればレベル別にオススメの参考書を紹介しているサイトは山ほど見つかるのでここでは敢えて紹介数を減らし、本当に必要なものを厳選することでどれを使えばいいのか迷わないようにしました。また、対象レベルは旧帝大以上を想定しています。

 

物理の学習に微積を使うか否かという話は議論の対象になりやすいが、私は概念を理解するためには微積物理は必須であると考える。そもそも微積物理を知らなければ単振動交流回路などは正しく理解できない。もちろん変位、速度、加速度の関係や電荷を微分すると電流になるなどの基本事項にも関わってくる。

個人的に最も衝撃を受けたのは運動方程式を積分するとエネルギー保存の式になるということだ。

エネルギー保存の項を迷ったときに運動方程式を考えれば分かるのである。微積物理はこのように概念理解に非常に役立つのではあるがスピードが求められる試験ではやや不向きであるため、問題を解くときは微積物理を使わないことも多い(もちろん使う場面もある)。あくまでも概念理解のための道具なのである。

しかしこの概念理解を怠ると物理の力はどこかで頭打ちしてしまう。

基礎編

 

体系物理[第6版] (体系シリーズ)

体系物理[第6版] (体系シリーズ)

 

 この本を1冊完璧にすれば物理の問題を解く上で基礎となる事柄は全て押さえられる。一問一問が短く、初学者には非常に使いやすい。基礎といっても、公式をただそのまま使うだけの無意味な問題の集まりではなく、物理の土台となる問題が網羅されている良書である。微積物理を扱う前にこの参考書を一通りやり、微積物理を学んだ後にもう一回解いてみてほしい。学んだ概念を適切にアウトプットすることができる。

演習編

 

物理重要問題集ー物理基礎・物理 2017

物理重要問題集ー物理基礎・物理 2017

 

 入試の典型的な物理問題の演習をするには重要問題集でいいだろう。解説は簡素だが数をこなすことができる。ここで量を稼いでおきたい。

応用編

 

物理教室 (河合塾シリーズ)

物理教室 (河合塾シリーズ)

 

 ある程度数をこなし、物理に慣れてきた頃にこの本を読んでみるといいだろう。今まで曖昧になっていた部分が解決されるはずだ。この参考書は問題集というよりは辞書的な扱いではあるが、化学の新研究のように細かすぎることが書かれているわけではなく、教科書だけでは到底理解することのできない事柄が丁寧に説明されている。

そのため、全ページに目を通し、全ての問題を解くことが望ましい。また、微積物理にも触れているためここで微積物理を学ぶこともできる。

 

微積物理の重要性を先に述べたものの、実は自分は参考書ではあまり微積物理を学んでいない。現役時代に通っていた予備校で微積物理の授業を受けていたのである。物理教室も微積物理を扱ってはいるもののそれがメインという扱いではないため予備校などで微積物理の授業が受けられない人は「新・物理入門」「理論物理への道標」のどちらかで学ぶといいだろう。

 

新・物理入門 (駿台受験シリーズ)

新・物理入門 (駿台受験シリーズ)

 

 

理論物理への道標〈上〉―力学/熱学/力学的波動 (河合塾シリーズ)

理論物理への道標〈上〉―力学/熱学/力学的波動 (河合塾シリーズ)

 

 

理論物理への道標〈下〉―光学/電磁気学/現代物理学入門 (河合塾シリーズ)

理論物理への道標〈下〉―光学/電磁気学/現代物理学入門 (河合塾シリーズ)

 

  

 

難問題の系統とその解き方物理

難問題の系統とその解き方物理

 

 最後の演習としてはいわゆる難系を使うと良いだろう。やさしい理系数学同様、難しいとして避けられがちではあるが言うほど難しくない。奇問があるわけでもなく普通に良問ぞろいである。ただ、問題数は多いので例題+苦手分野の演習問題だけで十分だろう。

 

東大の物理25カ年[第5版] (難関校過去問シリーズ)

東大の物理25カ年[第5版] (難関校過去問シリーズ)

 

 他の教科と同様であるが、最後に過去問をやれば完成である。